22.怪しい店-1.2.3.「古物の魔」「橙火堂の奇禍」「ショーウィンドウを砕く」

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2017.3.25 更新

22.怪しい店 角川書店 2014年10月31日発行 

収録作1.「古物の魔」(『小説屋sari-sari』2014.05月号初出) 

収録作2.「橙火堂の奇禍」 (『小説野性時代』2014.01月号初出) 

収録作3.「ショーウィンドウを砕く」 (『小説野性時代』2014.09月号初出) 

収録作4.「潮騒理髪店」 (『小説野性時代』2014.06月号初出) 

収録作5.「怪しい店」 (『小説屋sari-sari』2014.09月号初出)  


どんなお話だったか後でわかる程度の情報とちょっとした感想を。 

 以下ネタバレあり


収録作1.「古物の魔」

<場所> 

骨董屋・大阪府警 

<時代>

 捜査会議で持参したノーパソで判っている事項を整理! 

・・・頭の中でだけで考えていたイメージだったけど意外。時代ですね!!! 

参考人がフェイスブックに顔写真を投稿 終活 

<火村> 

白いジャケット、黒いシャツ、濃紺のネクタイをルーズに締める 

外国の道端で買った安っぽいペンダントを首から提げていた時期がある(時代不明)

 ファッションと買い物のセンスについては残念な男(アリス談) 

骨董市でタヌキのはく製に心ひかれてた・・・かもしれない。 

アリスが一緒に帰らないのに不審がり抜け駆けに気づく。 

・・・一人で一騎打ちは危険ですね。用事があるのに迷わずアリスを追った火村偉い。

 <アリス> 

友達が全くいないわけではないが、よく電話のやりとりをしたり顔を合わせたりするのは火村くらい。 

収録作2.「橙火堂の奇禍」 

<時代> 

12月1日篠宮のばあちゃんの誕生日

<場所> 

書きかけの小説のロケハンに京都に来たついでに白川通りをぶらぶら

火村の下宿近くの北白川古本屋 

<ばぁちゃんの好物>

梅田のロールケーキ

鶴亀屋(近所)の葛餅

 <アリス> 

京都のロケハンついでに、梅田で篠宮時絵(火村の下宿のばぁちゃん)の好きなロールケーキを誕生日プレゼントに、と寄って渡すくらいばぁちゃんに世話になっている。

 <火村の「衣」>

“コートとジャケットを洋服箪笥のハンガーに掛けて、ネクタイをはずし・・・”

  <火村の「食」>

洋服箪笥のある部屋かその続きの部屋でインスタントコーヒー作ってますね。

 <火村の「住」>

“火村は、片脚を投げ出したまま壁に寄りかかってコーヒーを飲んでいる”

おおっと、よりかかれる壁があるぞ。本棚じゃなく。

・・・んんん、ルーンの時に3方向書棚に囲まれって言ってたんですけど、どこに洋服箪笥があるんでしょうか。

元々借りてるのは六畳二間。(46番目だったかな?)

寝起きするのは六畳一間(エア・キャット)

他の部屋もばぁちゃんの許可を得て使わせてもらってる。これは前々から出ていた情報。

雑誌の置いてある部屋(エア・キャット)って言うくらいなら論文や書籍の部屋もあるだろうし、仕事部屋もあるだろう。

火村お前・・・何部屋借りてるんだ!(笑)

寝起きの部屋に洋服箪笥とポット等があるなら、それと仕事部屋で六畳二間だ。

それに雑誌の部屋と他の書籍等の部屋。最小で2店子分、最大では・・・・・。下宿の床が心配だ。

<アリスの行動・性格> 

そういや、サラリと「男前にエスコートされたら喜んでくれるぞ」って火村を男前って言ってますね。中身をさんざんこき下ろすものの、見た目に関しては褒めますよね。

<トリック>

収録作3.「ショーウィンドウを砕く」

珍しくも犯人視点で犯罪に至るところから綴られるお話。

<登場人物>

大阪の芸能プロダクション社長

<犯人から見た火村>

白っぽいジャケット、青いピンストライプのシャツ、ゆるく結んだネクタイ

引き締まった顔つきにクールな目は何かの勝負師を連想させた。

<犯人から見たアリス>

枯葉色のポロシャツにベージュのジャケット、自由業者らしい雰囲気。

目元が柔和で第一印象は人畜無害

<犯人から見た二人>

被害者の恋人を前に漫才のようなやり取りをしている。気のおけない仲なのだろう。

<犯人が判明した際、犯人から見た二人>

・自分には関係ないことなのに作家は無念そうだ。

・犯罪学者は無表情でただ黙っている。犯人への憐憫や軽蔑もなければ獲物をしとめた狩人の喜色もなく、ただ冷徹に俺(犯人)を観察している。

・「あなたが欲しいものは何ですか?と(火村に)訊いたら、「何もいらない」を遥に超越した得体のしれない、ひどく非人間的な答えが返ってきそうだ。

・作家(アリス)は「思い直すチャンスはいっぱいあったはず」と言ったが

・犯人には火村の声で「完全犯罪を成し遂げるチャンスはあったのに。決行が一日遅かったな」と幻聴として響いた。


・・・・これは非常に面白い他者目線ですね。犯罪学者として犯罪を暴かれる恐怖とは別に、火村の異常性を感じ取る犯人。とても興味深い。

<証拠>

懐かしのweb拍手


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やしん.yashinya

好きな小説について感想や、気付いた事を書いて行こうと思います。 有栖川有栖先生の作家アリスシリーズ中心です。